JOCに「チャイニーズタイペイ」の意味を聞くー「チャイナ」とは「中華人民共和国」か「中華民国か」と : 台湾は日本の生命線!

投稿日 :2016年3月13日

台湾は日本の生命線!より。日本オリンピック委員会(JOC)へ問い合わせた報告です。はたして回答はあるのでしょうか?


JOCに「チャイニーズタイペイ」の意味を聞くー「チャイナ」とは「中華人民共和国」か「中華民国か」と
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2016/03/04/Fri

■「チャイニーズ・タイペイ」の呼称は中国の産物

三月五、六日に開催の「侍ジャパン強化試合 日本×チャイニーズ・タイペイ」が話題だが、このIOC方式に則った台湾の呼称である「チャイニーズ・タイペイ」には、一般にはあまり違和感は持たれていないようだ。

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しかしこれを日本語訳してみたらどうだろう。

驚くべきことに、「中国領台北」となるではないか。

かつて「ブリティッシュ・ホンコン」と英国領香港を呼んだのと同様だ。もっとも香港は実際に英国領土だったが、台湾は中国領土などでは断じてないという点が異なる。「中国の不可分の一部だ」と言うのは、台湾侵略を正当化するための中国の政治宣伝に過ぎないのである。

そしてそもそも、そのような宣伝工作の一環として、中国が国際オリンピック委員会(IOC)に圧力をかけて生み出さたのが「チャイニーズ・タイペイ」の名なのである。

一九七九年、IOCは「中国」代表権に関し、中国の「Chinese Olympic Committee(中国オリンピック委員会)」を承認し、中国の国旗、国歌の使用を認めると同時に、台湾の「Republic of China Olympic Committee(中華民国オリンピック委員会)」を「Chinese Taipei Olympic Committee(チャイニーズ・タイペイオリンピック委員会)と改め、中華民国の国旗と国歌の使用を停止することを台湾の加盟の条件とする決議を採択した。

その背景に、中華民国から中国代表権を奪おうと長年にわたって蠢き続けた中華人民共和国の圧力があったわけだ。そしてそれに対する当時のマイケル・モリス・キラニン会長の呼応も。この人物は十三億人もの人口を擁する中国のIOC復帰を促し、歴史に名を残そうとしたとされる。


■台湾で広がる「チャイニース・タイペイ」の誤認識

そのような「チャイニーズ・タイペイ」の呼称であるが、当の台湾では多くの国民はこれを受け入れている。それはなぜかと言えば、IOCに国家主権を否定されているとの意識が希薄だからだ。

一九八一年、この呼称を受け入れた国民党政権は、それを「中華台北」と漢訳し、「中華」は「中華民国」を意味すると定義したためである。

使用を禁じられた中華民国旗の代わりに用いるチャイニーズ・タイペイ五輪委旗にも、国旗にある青天白日のマークや、国旗と同じ青、赤、白の色使いが見られる。

しかし実際にはどうだろう。そもそも、「チャイニーズ・タイペイ」が「中華民国」を意味するものであるなら、中華人民共和国がその使用を許すはずがないのである。

ちなみに中国はこれを「中国台北」と漢訳する。たしかに一九八九年の台中間の協定で、中国は国内での競技会で主催者は台湾代表を「中華台北」代表と呼ぶことには同意したが、しかし国内メディアに対してはいまだ「中華台北」の報道禁止用語に指定している。

国際社会も同様だろう。日本でも「チャイニーズ・タイペイ」の「チャイナ」は「中華民国」のことだ、と考える者はどれだけいるのか。

もちろん日本ではみながみな、その呼称を聞いて「中華人民共和国」を想像するわけではない。しかし多くは、「台湾は中国の一部」だとの誤った印象を受けざるを得なくなる。すでにそうした印象が普遍的に広がっているからこそ、こんなおかしな呼称に違和感すら持たれずに来たのだ。

もちろんそうした状況も、中国の宣伝工作の成果である。あの国は間違いなく大満足のはずだ。


■「チャイナ」とは何かーIOCとJOCの回答を待つ

IOCの言う「チャイニーズ・タイペイ」の「チャイナ」とは、果たして何を指すのだろうか。

それをはっきりさせるべく、私は三月四日、日本オリンピック委員会(JOC)に電話を入れた(03‐3481‐2298)。

ところが対応に出た女性職員は「ここではわからない」の一点張りなのだ。

「台湾のオリンピック委員会に聞いてほしい」「IOCに聞いてほしい」「JOCの地下にある資料室に調べに来てほしい」などというばかり。親切(?)にも、スイスにあるIOC本部の電話番号まで教えてくれたのだが、要するにこの問題に政治的な臭いをかぎ取り、政治に中立であるべきJOCとしては関わりたくなかったのだろう。

その通りだ。「チャイニーズ・タイペイ」とは優れて政治的な呼称なのだから。そしてそんな「政治」を持ち込んでいるのがIOC、そしてJOC自身なのだ。

結局、職員は私の代わりにIOCに問い合わせてくれることとなった。回答があれば連絡をもらえるとのことだ。しかし、実際に回答があるか否か、または回答があっても私に連絡をくれるか否かはわからない。何しろ、とても「政治的」な問題なので。

なおこの日は、台湾のオリンピック委員会にも「チャイナ(中華)」の意味を問い合わせるメールを送付した。