野球、サッカーの日台戦で「台湾は台湾!チャイニーズタイペイではない!」 : 台湾は日本の生命線!

投稿日 :2016年9月4日

野球、サッカーの日台戦で「台湾は台湾!チャイニーズタイペイではない!」 : 台湾は日本の生命線!
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2016/09/03/Sat

台湾の台中では八月三十一日、野球U18(十八歳以下)アジア選手権の日本・チャイニーズタイペイ戦が行われた。


台湾での野球日台戦では大学生らが掲げた横断幕。「台湾就是台湾」(台湾は台湾だ)とあるが、これが主催者によって強奪される事件が

この「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)とは言うまでもなく、中国の圧力に屈した国際オリンピック委員会(IOC)が台湾選手に対し、国名代わりとして使用を強要する呼称である。IOC公認の国際競技連盟傘下にある各国の国内競技連盟(NF)も、この所謂IOC方式に従い、今回のようにたとえ台湾国内での試合であっても、この虚構の名称を用いなければならないのだ。


「侍ジャパン」のサイトも台湾を「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)と呼んでいる

しかし「中国領台北」は、いくらな何でもひどすぎる。そこで台湾国内の台湾独立運動勢力は、試合会場で「台湾就是台湾」(台湾は台湾の意)、「TAIWAN IS NOT CHINESE TAIPEI」などと書かれた横断幕を広げ、観戦を行う活動を続けている。

「台湾」の名で自国選手を応援しながら、あわせて「台湾は台湾だ」との真実を、テレビ中継を通じて内外に伝えるというわけだ。そしてこの日も横断幕が掲げられたのだが、ここで異変が起った。

試合開始前に大学生らが、大会を主催するチャイニーズ・タイペイ野球協会(CTBA)のスタッフにより、掲げ持つ横断幕を強奪された上、会場から排除されたのである。


会場スタッフに没収された横断幕

CTBAの言い分は「IOCが政治的スローガンを掲げるのを禁じている」。しかしその乱暴な措置に批判が集まり、CTBAは謝罪を余儀なくされた。

このように、「チャイニーズタイペイの名を台湾に」と訴える台湾の人々の前に先ず立ちはだかるのはIOCや中国ではなく、台湾のNFなのである。

この国のNFの多くは、中国に迎合して「一つの中国」原則を掲げる国民党の影響下に置かれている。CTBAの理事長も国民党の前立法委員だ。「チャイニーズタイペイ」の名に痛痒など感じていないばかりか、むしろ「台湾」よりマシと思っているところではないか。


台湾の国内競技連盟(NF)のトップの多くは国民党員。「チャイニーズタイペイ」の名に痛痒など感じていないはず

このように、こうした壁を打ち破ることが、この運動の課題となっているところだが、しかしすでに「前進」は見られる。翌九月一日に台北で行われたチャイニ―ズタイペイサッカー協会(CTFA)主催の日台交流戦でのことだ。


サッカー日台戦での活動呼び掛け

この日、CTFAは「今日の試合は中華民国旗、日本国旗、チャイニ―ズタイペイ五輪委員会旗以外の旗の持ち込みを禁じる」との緊急ルールを作り上げ、スタッフが会場入口前で横断幕の持ち込もうとする群衆の入場阻止を試みた。

実はCTFAは六月、高雄で行われたアジアサッカー連盟(AFC)主催の試合で、台湾独立派が用いる緑の台湾旗が観客席に持ち込まれたのを阻止しなかったというだけで、AFCから罰金を命じられた経緯がある(AFCには中国の圧力が働いたのではないか)。そこでここまで過剰な反応を見せたのではないか。


これらの旗以外は持ち込み禁止だとする規則まで作る過剰警備ぶり


「この競技場には戒厳令が敷かれているのか」と過剰警備を批判する横断幕も

「CTFAはそんなに台湾の名が嫌いなのか」。そう叫びながら人々が入場を強行突破。これでCTFAも抵抗を諦めた。おそらく全国から批判を浴びるのを恐れ、自己保身に出たのだろう。

これは一つの勝利、前進である。近年における台湾を愛する国民の声の高まりには、国民党勢力もいまや為す術を失っているところだ。

しかし、敵もさるもの。そもそも自己保身に汲々とする者は、しばしば姑息な悪知恵を働かすものである。横断幕がテレビ中継で映し出されないよう、この人々をテレビカメラの附近に誘導し、座らせたのだった。

もっとも彼らの活動はメディア各社によって報じられ、その憂国の活動はさらに全国の人々の知るところとなり、感動、共鳴の声もさらに高まったはずである。


「台湾はチャイニーズタイペイではない」。このスローガンに多くの台湾国民は感動しているはず。そしてそれだけに、台湾人の覚醒を恐れる中国を慌てさせているはずだ

さて、日本でもJOCやNFが台湾を「チャイニーズタイペイ」と呼称することにこだわるが、それはIOCのルールに忠実であるという日本人の真面目精神の発露だけではないと思う。

私はこれまで彼らに対して、何度も台湾の呼称問題を提起して来たが、聞く耳を持たないというか、思考を停止してしまっているというか・・・。とにかくこちらも保身心理が強烈に働いているのだ。「チャイニーズタイペイ」という名を押し付けられる台湾の人々に対する同情心など、ほんの一かけらも感じさせなかった。

政治問題に関わりたくないと言わんばかりだったが、ここではっきりと言いたいのは、「台湾」は政治スローガンなどではない。「チャイニーズタイペイ」こそが中国の政治宣伝の生み出した政治用語なのであるということだ。スポーツの政治的利用に反対する日本人は全員がこの呼称の使用に反対しなければならない。

なお最後に、今回台湾では二日連続で運動が行われた訳だが、いずれも日台戦の会場においてだった。彼らは「台湾は台湾だ」との声を日本にも送り届けようともした訳だが、その時はおそらく「日本人なら我々の思いを理解するはずだ」との期待が抱かれていたと思う。なぜなら、台湾人とは日本を信頼する傾向が強い民族だから。

日本民族の名誉のため、その期待を裏切ることだけはしたくない。