日本民間の東京五輪「台湾正名」集会への台湾政府の反応:台湾は日本の生命線!

投稿日 :2017年4月3日

日本民間の東京五輪「台湾正名」集会への台湾政府の反応
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2017/04/03/Mon

東京オリンピックでは台湾代表の呼称を「チャイニーズタイペイ」(中国領台北)から「台湾」へと正そうと訴えるべく、我々親台派日本人が中心となり三月二十四日に都内で開催した2020東京五輪「台湾正名」推進協議会設立記念集会。

台湾では大いに注目され、その模様は台湾の公共放送「公共テレビ」も二十七日夜のニュース番組で報道しているが、そこで明らかになったのが台湾政府サイドの考えである。

つまり教育部の体育署(文科省スポーツ庁に相当)や中華奥会(チャイニーズタイペイ・オリンピック委員会)は、今回の日本人主体の集会をどう受け止めたのかだ。

以下に報道内容を日本語に訳して再現する。


日本の民間が訴え 我が国の台湾名義での東京五輪参加を支持
公共テレビ(2017-03-27)

■アナウンサー:

先週金曜、日本の東京では台湾のオリンピックにおける正名を求める集会が開かれ、我が国が「台湾」の名で東京オリンピックに参加することに支持が表明されたが、これに対して体育署は、「代表団は国際オリンピック委員会(IOC)の規定に従わなくてはならない」と述べた。一方、中華奧會(※体育署の誤り)は、「短時間内の正名は確かに難度が高い。しかし共に努力して行きたい」と語った。

■ナレーション:

これまで台湾は国外での国際競技会に参加する時、チャイニーズタイペイの名称を使用して来た。そうしたなか、先週金曜に東京で開催された集会には台湾の陳奕齊・基進党主席や、日本の参議院議員、テレビ局社長などなども出席し、2020年の東京オリンピックでは台湾の名義で参加できるよう声援を送った。

■陳奕齊・基進党主席:

中国には長期間圧力を受けた。東京オリンピックの機会に主導的に国際社会に対し、我々台湾人民を尊重するよう訴え、台湾名を用いる権利、権益を獲得したい。

■水島総・日本文化チャンネル桜社長:

我々は東京オリンピックにおいて台湾人と台湾の選手が「私達は台湾から来た」と勇気を以って話せることを夢見ている。

■ナレーション:

しかし体育署は「オリンピック憲章の規定に照らし、国内オリンピック委員会の名称、旗、エンブレム、歌は、IOC執行委員会の認可が必要。一九八一年のローザンヌの協定でオリンピック方式が決まり、我が国はチャイニーズタイペイの名で国際競技会に参加することになった」と説明する。そして「短時間内の正名は確かに難度が高い。しかし共に努力したい」と述べている。

■許秀玲・体育署国際及両岸運動部長:

私達はIOCのいかなる活動にもオリンピック憲章に遵守しなければならない。IOC執行委員会の同意を経なければならない。

■蔡賜爵・中華奥会副主席:

いつの日か台湾がこの実態のまま国連の加盟国になれたら、IOCに加盟を再申請したい。

■ナレーション:

体育署は「東京オリンピックは国際的な盛事であり必ず全力を上げて参加したい。代表団の名称については、国内世論とIOC規定の遵守のバランスを取り、国際スポーツ事務に積極的に参加しながら各国の我が国に対する認識、支持を勝ち取って行きたい」と強調した。

原文 日民間發聲 支持我以”台灣”名稱赴東京奧運
http://news.pts.org.tw/article/353665


報道内容は以上だ。日本人などが懸命に台湾を応援しているのに、台湾政府サイドは冷ややかというか、諦めムードというか・・・。

これまでも体育署は「チャイニーズタイペイの名称は、満足はできないが受け入れるしかない」と繰り返して来たが、その敗北主義ともいえる姿勢の情けなさはいったいどこから来るのか。実はちょうどこの日の集会で、陳奕齊氏はこう話している。

―――台湾人民は、国民党からは「中国から離れようとすれば武力攻撃を受けるぞ」と脅され、実際に中国独裁政権からもそのように脅され、またその国際社会を通じた圧力も受けてきた。そのため一般人の心理はひどく歪められ、不公平な待遇を受けても、自分から国際社会に公平な待遇を求める勇気を失ってしまった。

―――もし中国を恐れず平等な待遇を求めたら、国際社会にとりトラブルメーカーとなり、迷惑をかけてしまうのではないかとも心配してしまう。

こうした心理に、体育署も陥っているらしい。そう思うととても気の毒な気がしてくる。

一方、中華奥運にコメントに至っては、ここは中国迎合の国民党的思想に支配されているのではないか。「台湾がまま国連加盟国になれたら、IOCに加盟を再申請したい」などというが、台湾の国連加盟など台湾正名よりはるかに難しい。要するに「チャイニーズ」意識が強く、中国とのトラブルを極度に嫌うあの勢力は、台湾正名に反対しているように見える。

もっともそうした状況を受けも、我々はちっとも悲観はしていない。そもそも我々のこの運動は台湾の民間と共に、「日本人も付いている!台湾政府は孤独ではないので勇気を持て!」と訴える運動でもあるのであるからだ。

幸いすでに、あの国のマスメディアからも、「日本人が応援しているのに、蔡英文政府はなぜ正名を躊躇するのか」との批判の声が上がっている。体育署が日台の民間と「共に努力したい」とも表明しているのは、そうした正論への配慮からのものでもあるだろう。したがって運動はそれなりに奏功しつつあるのだ。

台湾政府さえ台湾の多数世論に従って台湾正名を求めれば、状況は大きく好転するのだが。

また東京オリンピックの主催国である日本からも正名を支持する声が広がれば、その台湾政府を一層激励することができるのだが。

そのような次第で、我々の運動は任重く道遠しではあるが、中国覇権主義を許容できない日本人としては実にやりがいがあるものである。