台湾は日本の生命線!より。TBSの日台野球中継。「チャイニーズ・タイペイ」ではなく「台湾」と放送されました!
侍ジャパンの台湾戦中継でメディアに変化/「チャイニーズ・タイペイ」から「台湾」へと呼称改め
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2016/03/06/Sun
■政治的中立性を損ねる侍ジャパンの台湾戦
野球の日本代表、侍ジャパンは三月五日、台湾プロ野球選抜とナゴヤドームで対戦し、五対〇で勝利を収めたが、台湾側が「CHINESE TIPEI」(CT=チャイニーズ・タイペイ)と書かれたユニフォームを着用したのはなぜか。
「CT」は元来、スポーツの国際試合で台湾の国家代表が国名代わりに用いる名称だ。
国際オリンピック委員会(IOC)やその承認を受ける国際競技連盟が、「台湾は中国の一部」と主張し、「中華民国」の国名や、国名と勘違いされやすい「台湾」との地域名の使用を許容しない中国への配慮で「CT」(中国領台北)との名を強要しているわけだが(IOC方式)、しかし今回の台湾チームは台湾代表ではない。しかももともとは「台湾」の名で来日の予定だったのだが、それでもなぜ「CT」なのか。
それは主催者の日本野球機構(NPB)がそう要求したからだ。
もし今回「台湾」の名で試合をやられ、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)やIOCから問題視されることを、NPBは恐れたのだ。二〇二〇年の東京オリンピックで野球が追加種目として承認されることを目指しているため、「それまでに問題は起こしたくない」(NPB職員)との思いからだったそうだ。
ただWBSCやIOCは、この程度のことを問題視するだろうか。
もし問題視するとしたら、それは中国が問題視する恐れがあるときだろう。
要するにNPBが警戒したのは、とどのつまりは中国の政治的な反応なのだ。元来スポーツとには政治的中立性が求められるはずなのだが。
■中国への配慮で「チャイニーズ・タイペイ」と
そもそも「CT」の呼称自体が優れて政治的だ。
台湾の選手がこの名を掲げるだけで、「台湾は中国の一部だ」との中国の政治宣伝となる仕掛けなのだ。中国の台湾侵略政策を正当化するのだから、有害極まりない呼称といえる。
したがって、できれば「CT」は日本で使用してほしくない。特に「CT」の試合を全国に中継するテレビ局には何としても使ってほしくない。その影響力は絶大だからだ。
そもそもマスメディアは、IOC方式に縛られる言われはない。実際に日刊紙など紙媒体はたいてい「CT」ではなく「台湾」の二字を用いている。
紙面の都合で「チャイニーズ・タイペイ」との長たらしさが嫌われるのだろう。一方テレビの試合中継は、しばしば「チャイニーズ・タイペイ」と表記し、またはそうアナウンスするのだ。
こちらは字数制限がないため、IOC方式を尊重できるわけだ。いや、中国からのクレームを警戒しているというべきだろう。できるだけ中国大使館などからの批判を避けようと気配りするのが、日本のマスメディアの習性である。
ところがそうしたなか、ある変化がみられた。
今回のナゴヤドームの一戦を中継したTBSが、台湾を「台湾」と呼んだのである。
NPBはこの試合を「侍ジャパン強化試合 日本×チャイニーズ・タイペイ」と命名しているが、TBSは「日本×台湾」として放送したのだ。
■注目すべきTBSの「台湾」へと呼称変更
下のテレビ画面の写真を見てみよう。あくまでも「台湾」と表示されているし、アナウンサーも「台湾」「台湾代表」と呼んでいた。
実はTBSは、かつては「チャイニーズ・タイペイ」と表示し、そしてアナウンスしていたのだ。たとえば二〇一四年九月の「世界バレー・アジア最終予選」の中継はそうだったし、二〇一五年五月の「バドミントン世界国別対抗戦 スディルマンカップ」でもそうだった。
※2014年の「世界バレー」の中継では「チャイニーズ・タイペイ」と呼んでいた
それではなぜ今回、「台湾」と呼び変えることになったのか。
もちろんそれには、「チャイニーズ・タイペイ」より「台湾」と呼ぶ方が地域名としては正確であるし、視聴者にもわかりやすいとの判断があったはずだ。
そしてもう一つには、「台湾」と呼んだところで、中国からはクレームが来ないとの認識も働いたはずだ。クレームが来るなら「チャイニーズ・タイペイ」で通すことだろう。
要するに、媚中姿勢は好い番組作りの障害だと気付いたのではないか。この一件がマスメディア全体にとり、中国に配慮した過剰な報道の自主規制の見直しに繋がることを祈りたい。
そしてマスメディア以外も、これを機に認識を改めてはどうだろう。
※来日した台湾チームを歓迎した中部国際空港。「チャーニーズ・タイペイ」と書き表すことに、空港自身は何の罪悪感もないらしい
たとえば、何に脅えてか(中国に脅えてだろうが)、台湾とのスポーツ交流の場で「チャイニーズ・タイペイ」の名に拘る地方自治体も少なくないわけだが、その呼称がスポーツの場に持ち込んではならない政治用語であり、台湾の人々の感情や尊厳をも傷つけかねない失礼なものであることに気付くべきだ。
このように、「認識を改めよ」というのは「良識を取り戻せ」という意味でもあるのだ。
中国の宣伝工作は、人々に良識の放棄を促すものにつき、まずは日本人から、そうしたものを克服しようと。