台湾・蔡政権 SARS流行の再現を警戒:産経ニュース他

投稿日 :2020年1月23日

台湾・蔡政権 SARS流行の再現を警戒:産経ニュース
https://www.sankei.com/world/news/200122/wor2001220031-n1.html
2020.1.22 18:49

 【台北=田中靖人】台湾の蔡英文総統が22日、新型コロナウイルスによる肺炎をめぐり世界保健機関(WHO)への加盟を改めて求めた背景には、2003年に新型肺炎(SARS)が流行した際の苦い経験がある。台湾は当時、WHOからウイルスの情報を得られず、感染が拡大した。蔡政権はこの機会に、台湾のWHO加盟の必要性を国際社会に訴える構えだ。

 「私を含め副総統、行政院長(首相に相当)はみな、17年前にSARSと戦った一員だ」

 蔡氏は22日の談話を、陳建仁副総統と並んで発表した。蔡氏は03年の流行時、対中政策を主管する閣僚で、陳氏は行政院衛生署(当時=厚生労働省)の署長だった。台湾ではSARSに346人が感染し、うち73人が死亡。疑い例も含めると死者は計180人に達した。当局は院内感染が起きた病院を強制封鎖し、内外から注目された。

 当時も「台湾は中国の一部」などとする「一つの中国」原則を認めない民主進歩党の陳水扁政権で、台湾は患者がSARSかどうかを確定する検体をWHOから入手できず、感染を拡大させた。

 台湾は「一つの中国」を条件付きで認めた中国国民党の馬英九政権(08~16年)下で、09年から毎年のWHO総会にオブザーバー参加が認められたが、民進党の蔡政権発足翌年の17年からは再び出席が認められていない。

 衛生福利部(厚労省)は、今回の肺炎は中国の衛生当局がウイルスのDNA情報を公開しており、台湾が持つ検査技術で4時間以内に確定が可能としている。だが、22日にジュネーブで開かれるWHOの専門家の緊急委員会に台湾代表は招待されておらず、今後の情報入手に不安が残る。
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 03年当時、中台間の航空直行便は解禁されておらず、SARSは中国広東省から香港経由でもたらされた。だが、馬政権で解禁された中台直行便は昨年11月の統計で、同月に往復4765便を約75万人が利用している。台湾では23日から春節(旧正月)の大型休暇に入り、人の移動が増える。当局は21日に初めて感染が確認された女性(55)と同じ飛行機に乗っていた46人の経過観察を行うなど、警戒を強めている。


台湾・蔡総統 武漢との団体観光の往来禁止 新型肺炎で:産経ニュース
https://www.sankei.com/world/news/200122/wor2001220024-n1.html
2020.1.22 13:09

 【台北=田中靖人】台湾の蔡英文総統は22日、台北の総統府で談話を発表し、台湾でも感染者が確認された新型コロナウイルスによる肺炎について、多数の発症者が出ている中国湖北省武漢市と台湾との間での団体観光客の往来を一時禁止することを明らかにした。

 蔡氏は同日午前に諮問機関「国家安全会議」の幹部会合を開き、対応策を検討。団体観光客は台湾発が22日から、武漢発は23日からそれぞれ禁止する。

 蔡氏は中国当局に対し感染情報の完全な公開を要求。一方、「台湾は世界的な防疫の最前線だ」として、世界保健機関(WHO)に対し台湾の加盟を認めるよう改めて呼びかけた。台湾は「一つの中国」原則を掲げる中国の妨害で、世界保健機関(WHO)に加盟していない。

 蔡氏はまた、「慌てず通常の生活を維持してほしい」と市民に冷静な対応を呼びかけた。