国内外から蔡総統支持の声 世界の学者ら44人が連名で台湾にエール:フォーカス台湾

投稿日 :2019年1月9日

国内外から蔡総統支持の声 世界の学者ら44人が連名で台湾にエール
http://japan.cna.com.tw/news/apol/201901090003.aspx
2019/01/09 16:19

(ワシントン 9日 中央社)世界各地の学者や元官僚ら44人は米国時間8日、台湾の人々に宛てた公開状を発表し、中国が訴える「一国二制度」の受け入れを拒否する蔡英文総統の主張に賛同を表明した。蔡総統に対し、台湾内外から続々と支持の声が上がっている。

名を連ねたのは、かつて米国在台協会(AIT)台北事務所所長を務めたウィリアム・スタントン氏、ステファン・ヤング氏の両氏やニューヨーク大教授のジェローム・コーエン氏らを含む44人。

公開状は中国語、英語で発表され、中国語版では冒頭に「民主主義を享受する台湾の皆さん、がんばれ」とエールを送る言葉がつづられた。本文では、中国があらゆる手を使って台湾を国際社会から締め出そうとしている現状に触れながら、蔡総統が台湾の民意として一国二制度への反対を強調し、一つの中国を原則とした、いわゆる「92年コンセンサス」を受け入れない姿勢を表明したことは「正しい反応」と肯定的な見方を示した。

また、中国が最近採用している欺瞞やデマを流す技法は「台湾内部の分断と混乱の種になる可能性があり、武力行使する口実の一つとなる市民の暴動を生みかねない」と懸念を示したほか、異なる政治的立場を持つ台湾人が中国の脅威を理解せずに対立を続けるならば、北京の指導者に台湾社会を分断させる機会を与え、台湾が中国に取り込まれるのは避けられなくなると指摘。新疆やチベット、香港を例に挙げ、「これらの地域は抑圧を受け、民主主義や自由がない。台湾はこれを警告とするべき」と訴えた。

蔡総統については「バランス感覚や柔軟性、強靭さを持つ」総統だと形容し、「台湾が荒れた海を乗り越え、明るく、より安全な未来に向かうためにはこのような資質を有する総統が必要」と蔡総統を支持するよう台湾の人々に呼び掛けた。

▽国内からも蔡総統支持の声

台湾の女性医師810人は共同で、「民主主義の台湾を守ろう。蔡英文総統を支持します」とのメッセージを伝える広告を8日付の大手紙2紙の一面記事下に掲載した。総統府原住民族歴史正義・移行期の正義委員会の原住民族代表22人も同日、台湾の主権堅持を表明する声明を発表し、「台湾は原住民族の伝統領域」であり、「中国の領土ではない」と主張。中国の習近平氏に対し、「台湾原住民族と台湾の主体性は威嚇を拒絶し、譲歩しない」と訴えた。

▽蔡総統「台湾は孤独にはならない」

蔡総統は8日、フェイスブックで、女性医師のメッセージ広告や原住民族代表の声明、米国家安全保障会議(NSC)のギャレット・マーキス報道官や南太平洋の島国ナウルのバロン・ワガ大統領よる台湾への支持表明などを紹介。「みなさん、ありがとうございます。国内外問わず、われわれが信念を貫きさえすれば、台湾はきっと孤独にはなりません」と感謝を示した。

(江今葉、顧セン/編集:名切千絵)