台湾魂に中国チーム狼狽! 「台湾はチャイニーズタイペイではない」との訴え受けて試合拒否 : 台湾は日本の生命線!

投稿日 :2016年7月4日

台湾は日本の生命線!より。リトルリーグ・ワールドシリーズアジア太平洋地区大会のチャイニーズタイペイ対中国戦で起きた事件について。


台湾魂に中国チーム狼狽! 「台湾はチャイニーズタイペイではない」との訴え受けて試合拒否
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2016/07/04/Mon


■試合会場で「中国の台北」の名の拒否を訴う   

「台湾」でも「中華民国」でもなく、「チャイニーズタイペイ」(Chinese Taipei=中国領台北)の名でしかスポーツの国際試合に参加できない台湾代表。

台湾併呑を狙う中国覇権主義を喜ばす不条理、残酷な仕組みである。台湾の選手たちが奮闘し、脚光を浴びれば浴びるほど、「台湾は中国の一部」との危険な誤印象が世界に広がって行くのだから。

そこで台湾では独立派団体が、国内での国際試合の観客席で「台湾は台湾」「チャイニーズタイペイではない」などと書かれた横断幕などを広げ、テレビ中継を通じて真実を国内外に知らせる活動を行っている。

七月二日には南部の屏東球場でリトルリーグ・ワールドシリーズアジア太平洋地区大会のチャイニーズタイペイ対中国戦でも、公投護台湾連盟のメンバー約十名が活動を展開した。

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■中国の弱点見たり!「真実」の前で引き籠り

先ずは緑の台湾旗や「Taiwan is NOT Chinese Taipei」(台湾はチャイニーズタイペイではない)と書かれた横断幕を広げ、先ずは球場の入り口前で演説を。

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そして試合開始三十分前に入場して三塁側の中国チームのベンチ後方を陣取り、中国人選手が練習を行う前で再びモノを広げたのだが、そこで異変が起こったのだ。

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中国チームがベンチへ引き籠り、試合を拒否したのである。

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「Taiwan is NOT Chinese Taipei」の横断幕を見た中国チームは練習を止め…

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ベンチに籠って試合を拒否。「真実」を突き付けられるや為す術を失うのが中国の弱点でもある

それにしても何たる傲慢さか。試合をしてほしければ、横断幕を撤去させよ、と要求したのだ。中国ではスポーツ関係者までが横暴な覇権主義に染まっているのである。

しかし見方を変えれば中国はそこまで、台湾を中国の一部と位置付ける「一つの中国」宣伝の虚構が暴かれるのに脅えている訳でもあるのだ。

まさに、あの国の弱点見たりである。


■中国に対する「寛大」という名の事勿れ主義

ところがこうした中国の弱さゆえの身勝手さ、横暴さに対し、台湾人はあまりに「寛大」だった。

主催者はメンバーに対し、「子供たちにチャンスを与えてやってほしい」「試合を中止させ、世界の笑われ者になりたいか」などとし、横断幕や旗をしまうよう求めた。しかしメンバーらはそれに応じず膠着状態に。

そのような彼らに対し、今度は試合が始まらないことに業を煮やした観客達の間から「帰れ」コールが巻き起こった。そう連呼した連中の多くは「CT」(Chinese Taipeiの略称)とプリントされた応援シャツを着ていた。

中国人にはありがたい助っ人だっただろう。きっと涙が出るほど感動したはずだ。

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中国チームを怒らせた独立派メンバーに対し、観客は怒りの「帰れ」コール。自分たちさえ試合を楽しめればそれで好く、台湾が中国のために被る国際的な苦境などには関心がない。それが庶民というものだ

「スポーツに政治を持ち込むな」との怒声も上がった。メディアからも「少年野球の試合なのに、大人がそれを政治問題化する必要はあるのか」(リンゴ日報)との批判も。

私は長年日本人相手に台湾支持を訴える言論活動を行ってきたからわかるのだが、このような中国に「寛大」な台湾人に、日本人の多くも共鳴すると思う。もし現地にいたら、一緒になって「スポーツに政治を持ち込むな」と迷惑顔を見せたことだろう。

日本人の少なからざるはそういうものなのだ。この一文を読む人の間でも、すでにそうした反応があるのではないか。


■中国覇権主義を支える各国の事勿れ主義

しかし「スポーツに政治を持ち込むな」との批判は、「チャイニーズタイペイ」なる名を台湾側に強要する元凶たる中国に対してこそ行うべきではないだろうか。

この「中国の台北」なる呼称は、台湾がIOCに加盟する限り五輪をボイコットすると息巻いた中国を宥めるために案出されたものだった。

したがってこのような中国に対する日本人や台湾人の「寛大」さは、実際には不見識極まりない事勿れ主義に過ぎないのである。

そもそも中国は、そうした事勿れ主義を相手国の弱みと見て取り、ますます増長するものなのだ。そうした各国の臆病者たちの迎合姿勢に支えられながら拡大して来たのが中国覇権主義だと言うこともできる。

日本も台湾もいつまでもそんな体たらくでは、中国の脅威から子供達の未来を守ることはできないだろう。

■中国に屈しない勇敢なる台湾魂に拍手を送る

実は六月二日に高雄で行われたチャイニーズタイペイ―カンボジア戦でも、観客席に「台湾は台湾だ」と書かれた横断幕や緑の台湾旗が広がられたのだが、それを取り締まらなかった台湾のサッカー連盟は、「政治性があるいかなる標語も会場に掲げてはならない」との規定に違反したとして、アジアサッカー連盟(AFC)から五千米ドルもの罰金を科せられている。

明らかにやり過ぎである。おそらくAFCは中国の圧力を受けたのだろう。あるいは中国の圧力を恐れる事勿れ主義で処断したか。いずれにせよ、「チャイニ―ズタイペイ」の呼称を拒絶する台湾人は、完全なる悪者扱いだ。

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6月のサッカーの試合会場で掲げられた台湾旗。「チャイニーズタイペイ」の呼称を拒否する者は悪者扱いにされるのである

今回の主催者もこうした不条理な前例に鑑み、横断幕の撤去要求に必死になったのかも知れない。

そして結局メンバーは主催者の求めに応じ、三塁側から一塁側の観客席へ移動。警察からは試合中、緑旗や横断幕などを出さないよう要請を受けた。

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中国チームの怒りに慌てた主催者。旗や横断幕をしまうように求めて揉めた

かくして試合は予定より五十分遅れで始まった。メンバーの一人が緑旗を取り出して自国チームの応援を始めると、警官隊が取り押さえにかかった。そうした混乱の中で数人のメンバーが負傷した。

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警備も過剰だった模様。警官隊に取り押さえられ数人が怪我。名誉の負傷だ

台湾が「チャイニーズタイペイ」と名乗らないなら試合をボイコットする、などと世界を脅し続ける覇権主義国家など、ボイコットをさせればいいし、むしろ国際スポーツ界から追放すべきではないだろうか。もっとも今回、あそこまで中国側を追い詰めた公投護台湾連盟の人々の気概(台湾魂)に、私は拍手を惜しまない。

こうした人々が臆病者たちを数で上回れば台湾は変わるのだが(日本にも言えることだが)。