東京都のオリンピック教育は問題!台湾は「中国領台北」(チャイニーズタイペイ)ではない! : 台湾は日本の生命線!

投稿日 :2016年8月27日

東京都のオリンピック教育は問題!台湾は「中国領台北」(チャイニーズタイペイ)ではない! : 台湾は日本の生命線!
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2016/08/25/Thu

■「チャイニーズ・タイペイ」との地名は存在しない

「知ることは、関わること」。そんなキャッチフレーズで、東京都教育委員会は「東京都オリンピック・パラリンピック教育」のサイトを開いている。

だがその中で最近設けた「大会参加予定国・地域情報」のページで台湾の項目を開き、義憤を覚えた。

「知ることは、関わること」? 「東京都オリンピック教育」のサイトは子供達に何を知らせようというのか

「名称」が「チャイニーズ・タイペイ」になっているではないか。そんな国名、地域名は世界のどこにも存在しないのにだ。

たしかに国際オリンピック委員会(IOC)の決まりによれば、台湾がオリンピックに参加する際は、「中華民国」という国名や「台湾」との世界で通用する地域名ではなく、その名義を使用しなければならない。

しかしそれはあくまで、台湾の国内オリンピック委員会(チャイニ―ズタイペイオリンピック委員会)の名称であり、あるいは選手団が用いる国名の代用に過ぎず、決して地名などではないのである。

そもそも「チャイニーズタイペイ」を日本語に訳すれば「中国領台北」。中国が台湾を占領しない限り、そのような地名は存在し得ないのだ。

■これでは「オリンピック教育」ではなく「中国の洗脳工作」

要するに中国の台湾侵略政策を正当化するための「一つの中国」宣伝の産物というわけだ。

正義感に欠けるIOCは早くから中国の政治的な圧力に屈し、こうした虚構の名称を台湾側に押し付けているわけだ。

これは台湾に対する差別待遇に他ならず、「政治的理由による差別」を禁じるオリンピック憲章への違反でもあるが、そうしたIOCの堕落の結果、オリンピックは「台湾は中国の一部であり、中国には台湾を併呑する権利がある」との政治宣伝、宣伝謀略の場とも化してしまっているのである。

そして日本でもIOC傘下の日本オリンピック委員会(JOC)が「チャイニーズタイペイ」の呼称を堅持しているわけだが、こともあろうに今回、都教委までがIOCの真似をし始めたのだ。

とんでもない「オリンピック教育」だ。単なる中国の政治宣伝への加担ではないか。これでは「知ることは、関わること」ではなく「知ることは、洗脳されること」となりかねない。

■都教委が見せた外務省への責任転嫁は通じない

そこで私は八月二十四日、このサイトを管理する総務部教育政策課に電話を入れ、誤りを指摘するとともに、「台湾」に訂正するよう要請したところ・・・。

応対に出た職員(ミタ姓の男性)は「検討する」と答えた。そして「ご希望通りの結果にならないこともある」とも付け加えた。

しかし訂正には応じまい、と私は感じた。そもそもそんなに簡単に訂正できるくらいなら、最初からわざわざこんなデタラメをやっていないはず。

もっとも「誤りだ」とする私の指摘を、その職員は理解していた様子だ。なぜなら次のように責任転嫁をしていたからである。

「外務省やJOC(日本オリンピック委員会)の資料に依拠せざるを得ない」

「(誤りとする指摘は)外務省に言ってもらうしかない」

これは責任を負うのを何より嫌う役人がよく見せる論法であるが、それはともかく、たしかにそこに記載される台湾の人口、面積、言語、宗教などのデータは、外務省ホームページ「台湾基礎データ」からの引用のようだ。

都教委サイトが「チャイニーズ・タイペイ」の首都を「台北,高雄」と記するのは、外務省が台湾の「主要都市」として載せる「台北,高雄」を誤ってコピーしたものらしい。

しかしここで最も重要なのは、外務省はどこにも「チャイニーズ・タイペイ」などとは書いていないということなのだ。

それであればIOCが「チャイニーズ・タイペイ」と呼称しているから、それを真似たということか。しかし何度も繰り返すが、それは台湾を指す地名としてではないのである。

都教委は間違っている。

■東京都まで台湾人への不当差別を行うか

都教委サイトでもう一つ興味深いのは、台湾の国旗(中華民国旗)を載せていることだ。

これなどは外務省が決して用いないものである。もし同省がそんなことをすれば、中国は「二つの中国」を作り出す陰謀だなどと大騒ぎするだろうから。

JOCも断じてその旗は用いない。

そう考えると都教委は、実は中国への配慮に汲々とする外務省やIOC(=JOC)とは異なる独自の判断で、台湾において現実に使用される国旗を紹介した訳である。

それはそれで間違ってはいない。そしてそれと同じように国(地域)の「名称」も、「チャイニーズ・タイペイ」から「台湾」へと改めればいいではないか。やればできるはずだ。

ただ、ここで都教委が中華民国旗を載せたと書くと、これを読んだ中国大使館筋が慌てて総務部教育政策課に対し、それの削除を要求するかも知れない。

その時、同課はくれぐれも、オリンピックで台湾選手団が掲げる国旗代用の旗に変更などしないように。

あれもまた国旗でも何でもなく、単なるチャイニーズタイペイ・オリンピック委員会の旗に過ぎないのだから。

リオオリンピックでは大会主催者が、台湾を「チャイニ―ズタイペイ」と呼んだばかりか、中国人のメディア関係者や観客などと連携し、中華民国旗を掲げる観客をも取り締まるという不当行為を繰り返したが、東京オリンピックではそうしたことがあっては断じてならない。

オリンピック憲章は高らかに謳う。「オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく、(中略)平和でよりよい世界をつくることに貢献することにある」と。

東京都は台湾を「中国領」と呼んではならない理由は、これからも明らかではないか。